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「宗、また同じクラスだね。僕、嬉しい~」
「あ、ああ。嬉しいのは良い事なんだけどさ、腕に抱きつかないでくれるかな。靴を履きづらいのだが」
「分かった」
あれ? やけに素直だな。
いつもなら『嫌だ』とか言って、絶対に離れないのに。
まあ、流石の美優も恥ずかしいのかな。
下駄箱の前で抱きついてくるから、そこらへんにいる人たちから視線を集めているし。
なんか「羨ましいな」とか「リア充死ねよまじで」とか聞こえてくるけど、俺のせいじゃないんだよね。
俺だってちょっとは嬉しいさ。
美優は性格はちょっとアレだけど、顔はまあ、可愛い部類に入るだろう。
黒の肩まであるショートカットに、クリッとした目。鼻筋は通ってるし、口も小さい。
なんか全てのパーツがバランスよく配置されている。
なんで美優が俺のような奴に抱きついてくるのか、それが甚だ疑問だ。
あーあ、これで性格がおしとやかだったら、俺のタイプなんだけどな。
本当に残念だよ。
「宗~、なに難しい顔してるのさ。早く教室に行こうよ~」
「あ、ああ。悪い悪い。じゃあ行くか」
「うん」
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