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いつもはダメガネの後ろにいるガキ大将も、今はいない。
恐らく便所で待ち構えているのだろう。
一生便所で暮らしてればいいのに。
このガキ大将は、映画の時だけ良い奴になるような性格じゃない。
純粋に弱い者をいじめて楽しんでるんだろう。
放課後に駅前に行くと、カツアゲされてる人が大勢いるらしい。
俺は見た事がないけどね。
駅とは逆方向だし。
「くそ、新藤。今度会ったら泣かせてやるからな!」
ダメガネは敗北者がよく言う捨て台詞を言って、教室から飛び出していった。
その時に、都合よくSHRの始まりを知らせるチャイムが鳴った。
あーあ。本当にめんどくさい。
なんで俺が毎日のように、あんな馬鹿を相手にしなくていけないのだ。
「はーい。みんな席に着けよ」
男の先生が入ってきて、指示を出す。
言われた通りに座ると、教室の扉が開き、茶髪のツンツンヘアーが飛び込んできた。
「いてててて、先生! 俺はセーフですよね!」
「アウトだ馬鹿野郎」
「そんなー」
今遅刻してきた奴が坂井鳴海。これで記録を七十回に伸ばした男だ。
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