学校に行く時は全力疾走で

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 鳴海は遅刻した事がショックなのか、いまだに地面に座り込んでいる。  七十回も遅刻してるんだし、もう落ち込まなくてもいいじゃん。  むしろ記録を伸ばすようにすればいいのに。  そしたら後世には決して破られる事がない、大記録の達成て事もありえる。   「おい、鳴海。早く立って席に座れよ」 「おお、我が大親友の新藤くんじゃあ、あ~りませんか~」 「そのテンションうざいな」 「ふっ、こんな記録を作っちまったら、テンションを高くせざるおえないさ」  まあ、確かにね。  でも、お前のテンションはいつもそれくらいだろうが。  さっきは珍しく落ち込んでたから、声をかけたっていうのに。  心配して損した。  鳴海はゆっくりと立ち上がり、変な踊りをしながら席に着いた。 「新藤新藤」 「なんだようるさいな」 「可愛い女の子いたか?」 「そんなの自分で見つけろよ。それと、テンション高いから少し下げてくれないか」  鳴海は俺の言葉を無視して、周りを眺め始めた。  顔を見るたびに、笑顔になったり、残念な顔になったり、本当に忙しいやつだ。  俺もそれにつられて、何気なく周りを見た。  俺の横にいるのは、なんだろ……ちょっと太ってる子。  その後ろには、俺の大嫌いなギャル系がいる。  神川高校は、校則が緩いため女子は化粧をしてきている。  ナチュラルメイクの子もいれば、ギャルがするようなメイクをしてきている子もいる。  俺としては、ギャルメイクはしてほしくない。
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