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「はい、じゃあSHRはこれでお終いな。一時間目の用意をしておくように」
チャイムが鳴った直後に先生はそう言って、教室から出て行った。
「新藤新藤新藤新藤!!」
「うるさい! 耳元で叫ぶなバカ鳴海!」
「お前の方がうるさいよ。それよりもさ、あの子可愛くないか?」
鳴海が指差したのは、窓際に座っている腰まである髪の女の子。
どうかな。なんか雰囲気的に、おっとりしてそうだ。
若干だが垂れ目で、ウェーブがかかっている黒の髪。なんか友達と話して笑っている姿はとても上品で、手を口に当てている。
うん。確かにレベルは高い。
「どうだ新藤。可愛いよな」
「ああ、かなりレベル高いな。俺はあんなおっとりしてる子は好きだ」
「ほほー、お前は天然系が好きなのか。天然萌えか」
「いや、ちが……」
俺が言いかけると、前方から人を殺せるんじゃないかってくらいに鋭い視線が送られてきた。
送ってきている人物は方向から大体想像がつく。
というかあいつしかいない。
俺が奴の方を見ると、消しゴムが迫ってきていた。
それをマトリックスみたいな感じでかわすと、今度はボールペンがきている。
「いた!」
まあ、当たりました。座ったままの状態で、マトリックスをできた自分を褒めてあげたい。
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