学校に行く時は全力疾走で

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 俺が連れてこられたのは、一時間目がもう少しで始まるためか、人がいない校舎裏。  雑草が伸び放題になっていて、暖かくなってきているため、その雑草の上をいろんな虫が歩いている。  美優はここでなにをしようってのか。美優の普段の思考パターンから考えられるのは二つ。  一つは「これが僕の誠意だよっ」て言って、襲ってくるか、「ここはポカポカしてて気持ちいいんだよね~」とか言い出すか。  美優は基本的にポジティブというか能天気だからね。  だからいつものんびりしてる。それが喋り方にも現れてるし。 「こんな所に連れてきてごめんね宗。僕ね……僕……」 「とりあえず座らないか? あそこに座るのにちょうどいい切り株があるし」  俺は隅っこにある、二人が座る分には十分な大きさの切り株をを指差した。 「う……うん、そうだね」  美優は落ち着かないながらも、俺の後に着いてきて、俺の横に座った。 「それで? なんの話だ?」 「う、うん……あのね……その……う~……」 「うわっ、なに泣いてるんだよ美優! どこか痛いのか!?」  美優の目からは大粒の涙が幾つも零れ落ちている。  でも、どこかを怪我した様子もないし。  うーん、分からん。
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