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俺と美優は走って教室に戻った。
確か一時間目は始業式。校舎裏に行ってる場合じゃなかった。
つーか、先生も教室から出ていく時に、体育館へ行く準備をしとけって言ってくれればよかったのに。
俺達が教室の前に着くと、すでに皆が並んでいて、俺を鋭い視線で見てくる。
ああ、言いたい事は分かってるさ。「なに遅れてるんだよこの野郎」とかそんな感じだろ!
でもさ、なんでその視線を俺にだけ送ってくる。
一緒にいる美優にはなぜ送らない。
あれか? そこまでして俺が憎いのか? ぐれるぞちきしょー!
「おい新藤なにやってんだよ。早く並べって」
「あ、ああ。そうだな」
並び順は出席番号のようだ。
なので俺は鳴海の後ろに並んだ。……なんか後ろから何回も叩かれてるんですけど。
しかも結構痛い。
グーで殴られてるなこれは。誰だよちくしょー。俺がなにしたって言うんだ。
文句を言ってやろうと後ろを振り返ると、ガキ大将が仁王立ちしていた。
坊主頭に太った体型。まるで歌が下手なガキ大将を、そのまま実写化したような奴。
そしてなんか臭い。
これは……そうニンニクの匂いだ。最悪だよ。
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