学校に行く時は全力疾走で

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 校長の無駄に長い話が終わり、生徒会指導部からの連絡が始まった。  この内容は、犯罪行為を起こさないようにしろ、というものだ。  特に指導部の先生は、俺の後ろに立っているニートに向かってその言葉を発していたように思える。  まあ、この高校は進学校という事もあってか、真面目な生徒が多い。  むしろ、なんでニートのような暴力男がこの学校に入れたのか、それがかつてからの疑問だった。  噂によるとこいつの父親は国会議員でその権力を思う存分使い、裏口入学をさせたとか。  本当か嘘かは確かめようがないけどね。  けどさ、これが本当だとしたら、一生懸命勉強して入った人を馬鹿にしているとしか思えない。  まあ、俺はそんなに勉強しないで入ったけどね。  サッカーの推薦入学で。  中学時代はぶいぶい言わせてたね。  高校になってからは、ほとんど幽霊部員だけど。  そんな事はどうでもいいか。    生徒指導部の話も終わり、生徒会長が壇上に登った。  それと同時に、新入生を除く在校生からの拍手と歓声が一斉に送られる。  この生徒会長は、かなりのカリスマ性を天から恵まれて生まれてきたのだろう。  非の打ちどころがないほど、整った顔立ち。遠くまで透き通るような綺麗な声。  長い黒髪を頭の先で結び、それが腰まで落ちていく。いわゆるポニーテールというやつだ。  ここまで言えば、背が高いかと想像してしまうだろうが。むしろその逆。  赤いランドセルを背負わせても、違和感がない。それほど背が低い。
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