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それにしてもこの衰えを知らない人気。まるでどっかの芸能人のような感覚だな。
その生徒会長が一礼をすると、皆は一斉に静まりかえる。
しばらく体育館内に反響していた歓声が全て消え去った所で、会長は話だした。
檀上からは、結構離れているため、ただでも背の低い会長が、さらに低く見えてしまう。
「皆、元気だったかの? 儂は元気じゃ。いやー今日は朝起きるのがつらかったのじゃ。もう少し布団で寝ていたい衝動にかられての。なんかもう全身からやる気がみなぎってこなくてのう。今もねむぅてねむぅて、我慢できそうもない。だからこの話はここで終わりじゃ」
これがこの学校の会長様。
端正な顔立ちや、身長の低さからは想像できない独特な喋り方、そして親しみやすさで人気を獲得している御方だ。
俺もこの人は好きだ。いや、異性として好きとかじゃなくて、人間として尊敬できる部分がたくさんある。
容姿端麗、才色兼備、料理の腕も一級品とのこと。
もうあれだ、この人こそ神に愛された少女だ。
生徒会長がポーニーテールを揺らしながら壇上から降りると、それを悔やむような声が全体から聞こえてくる。
凄い人気だ。同学年とは思えない。というか同じ人間とは思えない完璧さ。
憧れるねー。
この後は授業体制とか、一年間の主な行事等を担当の先生が知らせて、始業式は終わり。
いやー、立ちっぱなしとは思ったよりも疲れる。
かれこれ四十分は立っていたな。
先生たちも気を利かせて、座らせてくれればいいのに。
始業式で倒れる生徒がいなかっただけましか。
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