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とりあえず保健室のベッドに美優を置いて、俺は先生の机らへんを物色し始める。
美優の方をチラッと見ると、頬が赤い。あいつ、なにか想像してやがるな。
そんな事はさておき、絆創膏と消毒液、ガーゼを見つける事に成功。
いやー、この机は清潔感の欠片もないほどにぐちゃぐちゃだな。
乱暴に置かれ、表紙が折れている医療関係の分厚い本。なんか色んな書類が挟まっているファイル。
こんな不用心に置いといて大丈夫なのかね? 最近は春という事もあってか、変質者が増えてきているし。
この前なんか、学校の中を全裸の男が走りまわってたな。どうやって侵入したかは不明らしい。
大丈夫かよここの防犯システム。仮にも進学校なんだろ? 生徒の安全にもうちょっと気を配れよ。
「宗、まだ~?」
「ああ、悪い悪い。今行くよ」
俺はベッドに腰かけている美優の前に行き、足の前にしゃがみ込む。
「じゃあ、まずは消毒液かけるからな」
「うっ……んんっ……痛いよ~。もっと優しく……」
「はい、やめー! 俺は帰る!!」
「えっ、待ってよ~。僕、怪我人だよ。もっと優しくしてよ」
「じゃあ、もう変な声出すなよ」
「う、うん。気をつける」
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