睡魔が襲ってくる頃に

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 我が家であるアパートに帰ってきた。……だけど、美優が当たり前のように俺の横にいるのはなぜだろうか。  いや、まあ、分かってる。これはいつも通りなんだよ。  勝手に家に入ってきては、好き勝手やって帰って行く。  俺はこいつのせいでいつも安眠できない。 「なあ、美優。今日も俺の家に居る気なのか?」 「当たり前だよ。僕は宗のお嫁さんだからね~」  ――俺は突っ込まないぞ。なんか爆弾発言をしたやつが横にいるけど、これは突っ込んだら負けなのだろう。  それにしてもこのアパートボロイな。いや、安いから文句は言うまい。  このアパートは玄関から入って右を向けば、すぐの所に便所がある。  左を向けば、浴室と洗面所。前に少し歩けば、和室と洋室が二部屋あるという、中々いい物件なんだな。  洋室の部屋にはゲーム機、テレビなどの娯楽用具が置かれている。  和室の方は寝室なので、本棚や敷布団、タンスなどが置かれている。  俺は美優を無視して、制服から着替えるために和室へと向かう。 「おい、美優。着いてくるなよ。俺は今から着替えるんだ。お前も着替えてきたらどうだ?」 「え? 僕が着替える姿見たいって? もう、宗はえっちなんだから……」 「待て待て!! 誰がそんな事言った! 脱ごうとしてるスカートから手を退けやがれ!」  本当にこいつは疲れる。
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