学校に行く時は全力疾走で

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 俺は意気揚々といった感じで、玄関に行き靴を履く。  そして木製の扉を押し開けると、目の前には勝ち誇ったかのような笑みを浮かべている美優の姿が。  瞬間、黒のショートカットの髪が揺れて、美優が俺にダイブしてきた。 「うおあぁぁああ!」  いきなりの事で避けれるはずもなく、美優のダイブを腹で受け止めて、俺達は床に倒れこむ。 「宗。なんで無視したのさ。僕寂しかったよ~」 「う……うるさい。そんな事より、腹に頬をこすりつけるのを止めてくれ。くすぐったい」  いや、まあ、美優の頭が俺の鳩尾にジャストフィットしたから、痛いの方が強いけどね。 「だ~め。僕を無視した罰なのだ~」 「いや……マジでどけてくれなきゃ、学校に遅刻するぞ?」  俺がそう言うと、美優はただでも大きくクリッとした目を、更に大きくさせて居間に飾ってある時計を見る。  俺のアパートは玄関から、すぐに居間が見えるという構造になっているため、玄関にいながらも、時間を確認することができる。  こんなの携帯さえあれば意味ないんだけどね。
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