睡魔が襲ってくる頃に

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 自分で作った飯を食い、腹を満たしたので、美優の寝ている洋室に移動する。  美優はまだ寝ていた。  こんなに眠るほど疲れていたかどうかは知らないが、恐らく、朝にあんなに走りまわったんだ。疲れたんだろう。  まあ、一緒に走ってた俺はどうなの? とかそんな疑問は置いといて、美優をどうするか、これに限る。  美優の家は両親共働きで、兄弟はいない。  一人で家にいるのが嫌で、俺の家に来ているのだと思う。まあ、俺も一人でいるのは少し寂しいので、嬉しいのだが。  こんな事は本人の目の前では言えないけどね。  それにしても気持ち良さそうに寝ているな。 「僕は……ずっと一緒だよ」  はははは、また寝言か。ずっと一緒だよ……か。それは俺に対する言葉なのかな。  まあ、なんにしても、こんなに俺の事を想っていてくれるんだ。もう少し優しくしようかな。 「宗の馬鹿~」  前言撤回です。   こいつは起きてるのか? いや、起きてなくてもいい。もう叩き起こすから。  一瞬でも優しくしようと思った俺がバカでした。
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