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「おいこら、早く起きろ」
俺は美優の頭を軽く叩きながら何度も呼びかけるが、美優は一向に目を覚まそうとしない。
どうしたものか。
美優を起こそうと試みてから一時間。時計は午後六時を指している。
一時間も美優の頭を叩いていた俺の事は置いといて、一時間も叩かれているのに、全く起きない美優はおかしい。
叩くっていっても軽くだから、そんなに効果ないのかもしれない。
うーん。ここはしょうがない。あの有名な起こし方、あるゲームでは必殺技にもされているあれをやるしかないみたいだ。
俺は台所に行き、目当てのものを二つ持ってきた。
そして美優の座っている椅子の正面に行き、一気に両手を振る。
「秘技! 死者の目覚め!!」
こう……なんかガーンガーンという金属同士がぶつかり合う音が部屋中に響き、やってるこっちが耳を塞ぎたくなるほどうるさい。
これなら美優も起きるだろうと思っていた俺は驚愕するはめになる。
「すー……すー……」
なんと美優のやつはこの音を鳴らされてもなお、夢の世界から帰って来ようともしない。
それどころか、さらに安眠しているかのように思えてならない!
くそ、どうなってやがる。これじゃあ俺の頭がおかしくなっちまうじゃないか。
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