睡魔が襲ってくる頃に

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 俺は体を横にひねり、このままでは美優の顔に当たる軌道上から俺の顔を外す。  してやったり!! 俺はやればできる子なんだ!! 不可能はない。  そんな事を思っていたのも束の間。美優の目が……開いた。  いや、そこまではいい。開いただけならなんら問題はない。  だけど、美優の野郎はそこから一気に俺が倒れるであろう場所に顔を移動させてきたのだ。 「ばかっ……美優。そこをどけろ!」 「ふぇ? きゃっ!」  俺は美優を座っていた椅子ごと押し倒し、あろうことか、俺の……俺の……くくく、唇ぐぁぁぁぁ!! 美優のそれに触れている。  なんだよこれ!! お約束かよ! 俺に抗う術なんて存在しなかったんだね!  地面に押し倒されている状態の美優は、このいきなりの状況に困惑しているようだ。  って、冷静に解説してる場合じゃない。早く美優の上からどけなければ……あ、あれ? 体が動かない。  見ると美優の腕が、俺の腰をがっちりとホールドしているではないか。
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