睡魔が襲ってくる頃に

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「この野郎……離せよ」 「先に襲ってきたのは宗だよね。僕はそれに応えただけだよ~?」 「いや、襲いたくて襲ったわけじゃない。とにかく離せ!!」  俺の腰を掴んでいる美優の手をなんとか外そうと躍起になるが、全然外れる気配がない……。  こいつなんなの。この小さい体のどこにこんな力が隠されてるの? 「宗~もっかいチューしようよ~」 「い、や、だ!! 顔を近づけてくるなー!」  こうなったら仕方がない。幼い頃に見つけた美優の弱点を攻めるしかないのだ! 「あは、あははは! ちょっと宗、あはははは待ってよ。止めて~!」  美優の弱点はわき腹だ。ここをちょっとでも触られると、今のように笑いが止まらなくなる。 「どーだ。止めて欲しかったら、この手を離せい!」 「あははは、止めてくれなくても……いいもん。あははは、もっともっとやってよ~」 「すいません!! 止めるから、そっちの世界に行かないでくれ」
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