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「むぅ~、僕はあのままが良かったのに」
「まだそんな事言ってるのかよ。ほら、送ってあげるから美優の家に行くぞ」
「そしてそこで愛の営みを……」
「誰がするか!!」
その後もぐちぐち言い続ける美優を半ば強引に引きずり、俺達はアパートの外に出た。
外は凄く寒い。出てくる時に冬用のジャンパー着てきて本当に良かった。
でも、俺の横は美優が寒そうに手を擦り合わせたり、何度も息を吐きかけている。
そんな姿を見てしまったら、俺が着ているジャンパーを美優に渡すしかないだろう。
いや、でもな。これ渡したら、俺ジャージになっちまうんだよ。シャージといったらさ、風がよく通るじゃん。
そして今は結構風が吹いてるわけ。今の状況でも寒いのに、美優に渡したら、俺は凍え死ぬぞ。
「くしゅん」
「………………はぁー、ほら、これでも着てろよ美優。そのミニスカートじゃ寒いだろ?」
「本当!? わ~い、ありがとね宗。お礼にキスしてあげる~」
「やめい!」
さっきの一件があってから、美優がまたもや積極的になってしまった。あれは俺に悪い個所はないはずだ。
あっ、体勢崩すきっかけになったコップの破片。あれ割ったの俺か。
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