睡魔が襲ってくる頃に

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 この得体の知れないものに対しての恐怖は完全に拭いとれたわけじゃない。  けども、この幽霊は助けを求めている。  ならば、助けるのが人間として当然だろう。  と思うのだが……思うんだけど!! やっぱり怖いので言葉が出ないです、テヘッ。 「助けてよ……」  今度はハッキリ聞こえた。『助けて』って。確かに助けを求めてきている。  よーし、いっちょ一肌脱ぐかー。  とか思ってたら、目の前にいる女は空気に溶けるように消えてしまった。 「はれ?」  それと同時に玄関の扉が開く音と、なにかが走ってくる音が聞こえてきた。  さっきの恐怖がカムバックしてきやがった。心臓が早鐘を打ち、呼吸が荒くなる。  やはり、その足音は部屋の前で止まり、ゆっくりと襖が開いていく。  そして勢いよく開け放たれた。 「そ~う~!!」 「ぎゃあああああああ!!」  俺は死んだ。  
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