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「宗~」
「な……なんだよ。そんなに甘えるような声出して」
「僕、まだ眠い~」
はい? あなたは眠いからって、他人にしがみつくんですか?
眠いからって、そんなに無防備な格好をするのでございますか!?
とりあえず、胸の高鳴りは鎮まらないが、馬鹿らしくなってきたので、柱に頭をぶつけるのをやめる。
そして俺の腰にしがみつくように、ガッチリと固定されている美優の腕を無理やりに外し、振り返る。
「頭血だらけだよ? 大丈夫なの~?」
「これは血じゃない、トマトケチャップだ。俺の朝はこの赤い液体を被る事から始まるのだ!」
「う~ん、初めて聞いたんだけど……ていうか、ね~む~い~」
美優は片手で目をゴシゴシと擦りながら、フラフラと立っている。よほど眠いのだろう。
とりあえずは、俺の服を制服を持って部屋から出るか。美優がこの調子じゃ、まだこの部屋から出る気はないだろうし。
そしてそろそろ着替えなくては遅刻する時間帯だ。全く、なんで美優は今日、あんなに眠そうなんだよ。
いつもなら朝起こしにくるほど、早起きなのにさ。
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