イジメ……カッコ悪い。やっちゃ駄目だよ!!

7/48
前へ
/402ページ
次へ
「宗~」 「な……なんだよ。そんなに甘えるような声出して」 「僕、まだ眠い~」  はい? あなたは眠いからって、他人にしがみつくんですか?    眠いからって、そんなに無防備な格好をするのでございますか!?  とりあえず、胸の高鳴りは鎮まらないが、馬鹿らしくなってきたので、柱に頭をぶつけるのをやめる。  そして俺の腰にしがみつくように、ガッチリと固定されている美優の腕を無理やりに外し、振り返る。 「頭血だらけだよ? 大丈夫なの~?」 「これは血じゃない、トマトケチャップだ。俺の朝はこの赤い液体を被る事から始まるのだ!」 「う~ん、初めて聞いたんだけど……ていうか、ね~む~い~」  美優は片手で目をゴシゴシと擦りながら、フラフラと立っている。よほど眠いのだろう。  とりあえずは、俺の服を制服を持って部屋から出るか。美優がこの調子じゃ、まだこの部屋から出る気はないだろうし。  そしてそろそろ着替えなくては遅刻する時間帯だ。全く、なんで美優は今日、あんなに眠そうなんだよ。  いつもなら朝起こしにくるほど、早起きなのにさ。
/402ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23985人が本棚に入れています
本棚に追加