イジメ……カッコ悪い。やっちゃ駄目だよ!!

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 途中でコンビニに寄り、美優の朝飯を買う。  それから通学路を走って学校に向かう。  俺の周りには同じ制服を着て走っている学性が多数見つかり、遅刻しそうなのが、俺達だけじゃないと分かり一安心。  竹刀を持って校門近くで待ち構えている時代遅れの体育教師の横を笑顔で通り抜け、俺達は遅刻せずになんとか到着。 「はー……はー。ふぅ、疲れたな美優。汗が噴き出してきやがる」 「うん、そうだね~。僕も疲れた」 「そういう割にはあまり汗が出てないように見えるんだが、俺の気のせいですか!?」 「気のせいだよ。服の下は汗で一杯だよ~。見てみる?」  そんな美優の言葉を無視して、俺は生徒玄関へと向かう。  外靴を脱いで、内靴に変えようと下駄箱の扉を開けると……そこにはなにもなかった!!  学校指定の靴がなかった!!  はー、また幼稚な嫌がらせだなこりゃ。三年になってから初めての嫌がらせだ。 「どうしたの宗。なにか下駄箱に入ってた? もしかしてラブレターかな~? ん、どうしたの? なんでそんな驚いた顔で、下駄箱を隠してるのかな」 「い、いや、なんでもない。なんでもないからさ、美優は教室に行ってろよ。やめろって! 無理やり下駄箱の中身見ようとするな!」
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