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不審な顔をして教室に向かって行く美優の後ろ姿を見ながら、俺は溜息をついた。
美優の奴は自分のせいで他人が傷つくと、自分をトコトン追い詰める性格の持ち主だ。
なので、今回のように。美優の人気のせいで俺に嫌がらせをしてくる馬鹿達の行動を知ったら、おそらく、俺にずっと謝り続けるだろう。
美優はなんにも悪くないのに、そんな事はさせたくない。
大体、靴が隠されることぐらい前からあったさ。
なので、俺には耐性が備わっている。このくらいじゃ落ち込みもしない……いや、ちょっとは落ち込むけども。
とにかく! この程度では苦しくもなんともないのだ!
と、まあ、こんな事はさておき。外靴も隠されると、帰りは裸足になってしまうので、カバンの中に突っ込んでおくか。
学校の中では……来客用のスリッパでいっか。
スリッパに履き替えた俺は、周りを見渡す。なんだか、嫌な視線を感じたからだ。
だけど、それの発信元は分からない。
周りは生徒達が歩いているだけだ。俺の気のせいなのだろうか。
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