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ニートの馬鹿笑いを鼻で笑いながら、俺は自分の席に着く。
鞄を机の横にあるフックぽいなにかに提げて、机の上に突っ伏していると、不愉快極まりない声が頭上から降り注がれる。
「おやおやおや、新藤君。学校指定の内靴はどうしたのかな? もしかして失くしたのかな? だったら二階にある男子便所に誰かの靴があったけどなー?」
ウザい。果てしなくウザい。この声はダメガネだ。
メガネをそのハニワっぽい顔からむしりとって、粉々に踏みつぶしてやりたい。
大体よー、そんな大声で言ったら美優に聞こえるだろう? 今の会話を美優が聞いていなければ、誤魔化しようはあったんだ。
でもさ、今の聞かれてたら全部台無しだぜ?
死ねよ。クタバレよ。あの世に逝けよ。存在自体抹消されろよ。というか細胞レベルで分解されちまえ。
「おや? 黙っちゃってどうしたのかな? 新藤くーん?」
「黙れ盗撮マニア。今日も女子更衣室に忍び込んで盗撮するんだろ? 世界の女の子のために人生という名の窓にカーテン閉めろよ」
「は?」
「分かりやすく言うと、クタバレ」
俺の兆発を受け取ったダメガネは、顔を真っ赤にして口をパクパクさせている。
死にかけの金魚みたいだ。あっ、いや、違った。死にかけのハニワだ。
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