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「ふふふふ……いいだろう新藤。その安い挑発に乗ってあげようかな。後で男子便所こいや」
「あれあれ? さっきまでの言葉づかいはどこいったのかな~? あんな安い挑発に乗って、言葉づかいを変えるなんて馬鹿すぎるぜー?」
「くっ、黙れ。目にものを見せてやるよ。覚えておけ」
「行くかどうかは気分で決める」
「絶対に来い!!」
はー、めんどい。なんで俺が男子便所に行かなきゃいけないんだよ。
どうせあいつ一人じゃ来ないんだろ? ニートとか連れて来るに決まってるんだ。
ダメガネハニワだけならまだしも、ニートも一緒だったら少しキツイ。
というか、勝ち目ゼロだ。
男子便所、ねぇ。いいさ、そっちがその気なら俺にも考えがある。
目にものを見るのはどっちかな?
さーてと、まずは下準備だ。俺が勝つのに必要不可欠な道具を揃えに行こうか。
俺は椅子から立ち上がり、教室の出口に近づいていく。
すると、遠くから美優の声が聞こえてきた。
「宗? どこに行く気なの?」
「気にすんなよ。鳴海を生徒玄関に迎えに行くだけだ」
「ふ~ん……そっか」
そんな美優の言葉を背中に受けながら、俺は教室から出て行った。
あれで美優は騙せただろうか。うーん、大丈夫だろう。美優は嘘を信じやすいからな。
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