イジメ……カッコ悪い。やっちゃ駄目だよ!!

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 そのまま下がって行くと、壁にぶつかってしまった。 「さあ、新藤。もう逃げる道はないぞ? どうする?」    ニートは勝ち誇ったような笑みを浮かべる。憎たらしい笑みだ。  もう逃げる道はないって? ははっ、馬鹿にするなよ。 「ふ……ふふふふ……はははは。 馬鹿だ。本当に馬鹿だよお前は。もう罠がないなんて本当に考えてるのかよ! だったらおめでたい頭だ」  俺の言葉にニートは固まった。そして周りをキョロキョロと見渡している。罠の有無を確認しているのだろう。 「で、出たら目を言うな。どこにも罠っぽいのはないぞ」 「ふふふふ。ロッカーの罠を見破ったからっていい気になるなよ? 『紐が出てたら誰だって分かるさ』? あははは。当り前さ『誰にでも分かるように』仕掛けたんだからな!」 「な……っ」 「俺の本当の狙いは――これだ!」  俺は後ろにある壁に貼り付けておいた透明な紐を、足で思い切り引っ張る。  ピンと張られた糸はトイレの個室の中を通り、その先に結ばれている物を引っ張り、そのまま落下していく。  鼓膜を突き破るのでないかというほどの轟音が、トイレの狭い室内に響く。 「なにをしているんだ?」  だが、ニートには被害はない。それもそうだ。  だって、俺が落としたのは、ロッカーの上にある石を下に置いて倒れやすくしたバケツなんだから。  バケツの中には校庭からもってきた大小様々な石を入れてある。  それが三メートルもの高さから落下した事により、さっきの音が出たわけだ。
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