イジメ……カッコ悪い。やっちゃ駄目だよ!!

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「まあ、いいんだよ。そんな学校非公認の変なグループが来ても、逃げ続けてればその内諦めるだろう」 「いやー、それはどうかな? その生徒会を護り隊は、かなりしつこいって事でも有名だぜ? 最近運動していない新藤さんが逃げ続けれるとは思えないけど?」 「その時はその時さ。捕まったら、全力で避けてればいいだろう。動体視力なら負ける気がしねぇよ。だからさ、面倒に巻き込まれる前に帰ろうぜ」  俺の言葉を聞いて頷いた鳴海と一緒に教室から出ると、目の前にポニーテール少女が仁王立ちしていた。 「三年生の新藤宗太。どこに行く気なのじゃ? 生徒会室は逆方向にあるはずなのじゃが……」  こめかみをピクピクと動かしながら、それでも笑みで話しかけてくる会長が恐いです。 「あ、あれ? 生徒会室って教室から出て左だっけ? 悪い。ずっと右だと思ってたわ」 「大城凛会長様!! 嘘ですよ。この男嘘吐いてますよ!? 面倒に巻き込まれる前に、逃げるとか言ってましたよ」 「余計な事を言うな鳴海! って、ごめんなー会長。鳴海って冗談が好きでさ。三度の飯よりつっこまれたいっていう変態なんだ……。睨まないでくれるかな、会長さん。結構恐いですよ?」  これはやばいな。俺の横にいる変態が余計な事を言ったばかりに、目の前にいる少女の機嫌が最っ低レベルに落ちちまった。 「なにか他に言い訳はあるかの? ないのなら、今すぐに生徒会室まで連行するけど、いいかの?」 「なんで連行されなきゃアカンの!? 俺なにもしてないじゃん。悪い事なにもしてないのにーー!!」  俺は絶叫しながらも、自分よりも背の低い少女に引きずられるという貴重な体験をした。
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