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周りからの視線を耐え抜き、俺は生徒会室の前に連れて来られた。
ここは凄い。まずは扉が凄いのだが。
両開きの木製の扉なのだが、なんか……お城にあってもおかしくないんじゃないの? てなくらいにでかい。
扉の上部分が天井ギリギリの位置まであるのは、なぜなのだろうか。
会長はその扉を押し開けた。繋ぎの金属部分が錆びているのか、結構不快な音を出しながら。
中も凄かった。
なんかもうね、どっかの社長室じゃねぇの? 的なね。
手前には応接用のソファっぽいのが、向かい合わせにある。
その間に挟まれている机が一つ。
そして、それらの奥――窓際の方に、それこそ社長が使っていそうな机と椅子があった。
なんで生徒会室がこんな風になってるんだよ。学校は、なんでこんな場所に金を使っているんだよ。もったいない。
「さっ、早く入るのじゃ」
「嫌だ。もう帰らせて下さい」
「それは無理な相談だのう。儂はお主に用があるんじゃから」
うう……面倒な事は嫌いなんだよ。なんかもう、嫌な予感しかしないから、帰りたいのに。
この会長は絶対に許してくれそうもないしな。
「分かった。なるべく手短かに頼むぞ」
「善処しよう」
俺は生徒会室に一歩踏み入れた。赤い絨毯がふかふかで気持ち良かった。
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