23985人が本棚に入れています
本棚に追加
「さてと。そこのソファに座ってちょいと待っていくれるかの。今お茶を淹れてくるから」
会長に言われたとおり、二人用の黒いソファに腰を下ろす。
「うわっ、すっげー、なにこのソファ。ふかふかすぎだろ。体がどこまでも沈んでいくー」
凄かった。座った途端に、このソファはかなり沈むんだ。
底なし沼みたいにどこまでも沈んでいくような錯覚に陥ったよ。
会長が来るまでここでぐてーとしていたのだが、この部屋のすぐ横にある給湯室みたいな場所から、やかんが沸けた時に出る、ピーという音を聞いた途端、俺は素早く起き上がる。
ここでグダグダしている姿を見られたら、なんて思われるか分からないからな。
今から話されるであろう事に、こちらが不都合になるようなものは見せたらアカン。
会長がそっちの部屋からトレイの上にお茶を載せて持ってきた。
「待たせたのう。ほら、高級茶じゃ。心して飲むがよい」
「うわぁ、良い匂いだ。流石高級品……まさかこれも学校から金を出してもらって買ってるのか?」
「そんなはずがないじゃろうに。これは儂が個人的に買ってきたものじゃ」
ふむ。それじゃあ、心おきなく飲むとしましょうか。 美味い。なんて言ったらいいか分かんないが、普通に美味い。
会長が自分の分のお茶を手に持ちながら、向かいにあるソファに座った。
「それじゃあ、早速、本題に入ろうかの?」
「話ってなんなんだよ」
最初のコメントを投稿しよう!