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「とにかく走るぞ。美優。このままじゃ、遅刻しちまう」
「わかった~」
本当に分かってるのかよ、緊張感のない返事しやがって。
うーん。まあ、大丈夫だろ。さっきは足速かったしな。
「よし、行くぞ」
「うん」
俺達は走り始めた。
途中、美優に抜かれたりしたが、そんなの気にしないでなんとか遅刻ギリギリに学校に到着。
俺達が校門を通り過ぎたすぐ後に、竹刀を持ったいかにもって感じな体育教師が門を閉めた。
本当にギリギリだったな。
美優が抱きついてこなければ、こんなに全力疾走しなくても済んだのに。
「宗~。早くクラス分け表を見に行こうよ~」
俺はかなり息切れしてるっていうのに、美優の息は整っている。
どうなってやがるんだ、まったく。男として情けない。
「ああ、そうだな。見に行こうか」
「同じクラスだといいね」
「それはちょっと遠慮したいかな」
「なんでさ~」
「そんなに不満そうな顔するな。理由は色々とめんどいからだ」
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