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「…おじいちゃん?」
荒野の真ん中にちょこんと座り込み、上を見上げながら遥か上空から舞い降りようとしてくる白銀の竜に向かって、呟いた。
『…あの時の赤子か…!?』
白銀の竜も“嬢”に気が付き、下降を止め、しばし空中に滞空する。怒るように諭すように言葉を投げる
『危ないではないかっ!?儂の翼の風圧で吹き飛んでしまうぞ?さぁ、どいておくれ』
「…やだ」
『これこれ、儂の邪魔をしないでおくれ…』
「おじいちゃん、ママ達とケンカするんでしょ?退かない」
『…あそこに居る冒険者達の事か?』
白銀の竜が首を上げ、丘からこちらに向かって来る“姫”達を見る。それに頷く“嬢”
「うん…おじいちゃんもママ達も怪我するからケンカはダメ」
『やれやれ…困ったのぅ』
“嬢”の言葉に途方にくれたような溜息を吐きかけ、息を呑む。吐いただけで、火炎混じりの息を“嬢”に浴びせてしまうからだ。風圧に気を付けながら、ゆっくりと“嬢”の前に降り立ち、腰を降ろした。
『どうしても退いてくれんのかの?』
「うん」
『儂がヌシを食べると言ってもか?』
「うん」
『う~む…』
“嬢”を見ながら、思案する竜。しばらくして鋭い爪の手をあげ…
“…バリッバリッ”
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