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「うっ」
俺は右目を押さえた。
〔またか痛すぎるだろう、なれないし〕
この能力には限界があった。
ネットがある現代にあって、この能力は無意味に思われた。
たが、人との関わりが在れば活きてくるという面もあった。
俺自身もわかっていなかった。
俺の名前は田中 勝「たなか まさる」17才。市内の公立高校に通っている。身長は162㌢55㌔と中肉中背。勉強も運動も中の下と冴えない男だ。
……1年前に体育の時間、たしかサッカーをやってた。急に、後ろにいる同級生の動き 空から見たような俯瞰図 自分の後ろ姿が 見えた。その日は、それだけだった。気のせいにした。
1年たった今でも信じられない。最近は見える物も少し増えた気がする。
やっと痛みが遠退いた…。
周りを見ると先ほど喧嘩を売ってきた奴等が寝てた。目撃者は居ないはずだ。ここは昼でも薄暗く人通りの全く無い工場跡だった。こういう奴等が好きそうな場所だ。
早く帰ろうと衣服の乱れを直していると後ろから声かした。
「おい」
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