第二章

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さかのぼること数時間前 勝が通学路の雑踏を縫うように走り抜けてた時、いきなり横から来た自転車をすんなり避けた。あまりに普通過ぎて日常のひとこまとして、とけて消えようとしていた。 知らないうちに勝の肩に青白い手が乗っていた。振り払おうとしたが、肩に指先が食い込んで離れない。その脇から顔が勝を見ていた。恐怖で固まってると。 「おい、ここは喧し過ぎる。場所を変えるぞ 。」 と肩が外れそうな勢いで引っ張られていく。この時点で抵抗は諦めた。連れて来られたのは人気の無い公園だった。ブランコの軋む音が響いていた。 「お前の目ぇどこまで見える。普通では見え ない方向から見えるのでは無いか?」 核心を確信した様子で聞いてきた。 「おれは、お前より見える。教えてやるから おれを師匠と呼べ。」 断ろうとしたが、近藤の目に吸い込まれるように頷いた。 「放課後にな。くれぐれも力を使うなよ。」 と、手を挙げたら会った時のように足音なく去ってゆく。 我にかえった勝は学校まで走ったが案の定、二時間目が始まっていた。 怒られて気分が悪く1日を過ごした。運悪く放課後、校門をでるとカラまれた。
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