戦国愛歌

変わり果てた愛

昔の愛姫は誰よりも明るく勝ち気な少女だった筈だ。
だが、今の彼女は目つきはキツくなり声色は氷のように冷めきって表情は人形のように生気が感じられなくなった。

十年間、会わないでいる間に彼女に何が起きたのだろう。
成長して変わったのだと言ってしまえばそれで終わりだがそれでも説明しきれない変わりようだ。

「…私の顔に何か付いていましたでしょうか？」

「…いや、何でもねぇよ。
気にすんな、愛」

愛姫にそう言われ政宗は少し焦ったように言葉を返す。

「そうですか、分かりました。
藤次郎様が気にするなとおっしゃられるのであれば私は気に留めません」

政宗の言葉に愛姫は淡々と言葉を返した。
従順な態度の彼女に政宗は戸惑いを見せる。