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運命の日が、来た。
今日、この米沢城に愛姫が来る。
政宗は十年ぶりに再会するという事もあり気を使って正装をした。
門の前に来て愛姫が来るのを今か今かと待つ。
その傍らには自分の一番信頼する小十郎が居た。
「楽しみですな、政宗様。
愛姫様と会うのは」
「Ah,早く会いたいぜ。
十年の間に変わったんだって見せつけてやろうじゃねぇか」
そう言って政宗はニヤリと笑う。
皮肉のようにも聞こえるが小十郎には政宗が愛姫と会うのが楽しみなのだとよく分かった。
そんな風に二人が会話をしていると峠の向こうから影が一つ。
その影はだんだんと此方に向かって来る。
影の正体が籠だと分かると政宗は口元に小さく笑みを浮かべた。
「Ha!princessの到着みたいだぜ」
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