26人が本棚に入れています
本棚に追加
だから、
少年は一人だった。
◇
少年は一人っ子だ。
父親は今、単身赴任中だ。
母親も父親に付いていっている。
家に残るのは少年だけだ。
孤独感は増す一方だ。
家に帰れば事実上も一人になるのだから。
きっと、このままでは善くも悪くもまともな人間にはならないだろう。
そのコト自体少年が一番よくわかっている。
しかし、
わかっていても変われないものだ。
いや、
わかっているからこそ、変われないのかもしれない。
たぶん、これは一人だけじゃ解決しないだろう。
だから、少年はあきらめたのだ。
変わるコトを・・・・。
だって、
男の子は 《ひとり》だったから・・・。
最初のコメントを投稿しよう!