一人きりの男の子

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だから、 少年は一人だった。       ◇ 少年は一人っ子だ。 父親は今、単身赴任中だ。 母親も父親に付いていっている。 家に残るのは少年だけだ。 孤独感は増す一方だ。 家に帰れば事実上も一人になるのだから。 きっと、このままでは善くも悪くもまともな人間にはならないだろう。 そのコト自体少年が一番よくわかっている。 しかし、 わかっていても変われないものだ。 いや、 わかっているからこそ、変われないのかもしれない。 たぶん、これは一人だけじゃ解決しないだろう。 だから、少年はあきらめたのだ。 変わるコトを・・・・。 だって、    男の子は   《ひとり》だったから・・・。
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