1,相談者

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     どうしてこんな所にいるのか。 どうしてこんな気持ちにならないといけないのか。 私は何もしていない。 嫌いなら無視すればいいではないか。 今日の放課後もまたこんな目に… 家に帰ると母が言った。 「〇〇ちゃん、困った時はワンちゃんに頼みなさい」 母の顔は優しい笑顔だった。 母は赤く染まった袖を隠すように去った。 その手には刃物が握られていた。 その夜、部屋の隅から一匹の犬が私をじっと見ていた。 次の日、イジメは無くなった。 否、虐める者はいなくなったのだ。 その夜、私は枕を濡らした。 その姿も犬はじっと見ていた。    
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