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「ここが…天界」
前回突然死んでしまった主人公、南三原拓人は今、大きな門の前で立ちすくんでいた。
その横には『神様委員会』第三班班長、マリア・メデリューンがニコニコして立っている。
「驚きましたか?凄いでしょう。この門ね、なんと現神様…第1836代目唯一神様がご自分で設計されたんですよ」
高さが百メートルぐらいあって…
天界でしか採れない、珍しい発光石で造られていて…
マリアは得意気に語っている。
しかし拓人としては、そんな事より気になることがあった。
確かにこの巨大な門は、純白の美しい石で造られている。
手の込んだ装飾。
近くで見ると、そのどれもがミリ単位で彫り込まれているようだ。
確かに、物凄い芸術センスだと認めよう。
だが。
「なんで…扉にばかデカく、メイド服の猫耳娘が彫られてるんだ……?」
白く汚れ無きその扉には、壮大なスケールで猫耳少女が描かれている。
「…『おいでませ、天界へ。わたくし達がご案内しますにゃん』…って、おかしいだろがぁぁぁあ!」
拓人は逆上してマリアに掴みかかる。
「どんな天界だ!つーかどんな神様だっ!!これ、神様が設計したんだろ?!」
「はあ…そうですが……何か問題でも?」
「問題だらけだ!なにやってんの神様!こんなことに労力使ってるから、俺たちみたいな存在ができるんだろがッ」
「まあ、この扉ができた時は、さすがの私もちょっと引いちゃいました。神様の趣味200%ですしね」
「やっぱ趣味なのか?!」
会いたくねぇ!
猛烈に会いたくなくなったよ!
マリアは悶える拓人を一瞥すると、勢いよく扉を押し開けた。扉は見た目に反して、案外あっさり開くようだ。
「さあタク君!神様のところに行きますよ!!」
拓人の服の裾を掴み、ずるずる引きずっていく。
…やっぱ行かなきゃダメか……
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