唯一神=オタク

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       ****** 「――なあ聞いてるか?拓」  月曜日。  いつもの教室。  自分に話しかけてくる、いつもと同じ親友の顔。 「ん。ああ…何、高」  本当にいつも通りだ。 「いや、だからさあ。二組の幸子ちゃん、いるじゃん。  あの子が拓に、『放課後、屋上に来て』って伝えて欲しいって言ってたぞ」 「何で」 「何って…普通こういう場合、告白だろ」  高は「ちぇ、美形はいいねー」と言って、頬を膨らませた。 「行ってやれよ、屋上。 幸子ちゃん、学校一の美少女だぞ」 「うん…まあ、用事が出来なかったら」 「なんだよそれー 幸子ちゃん可哀想だぞ」  その時。 拓人の携帯が「ぴりりり」と鳴った。 拓人は画面を覗きこみ、「げっ」と言って立ち上がる。 「わりい、高。俺中庸できたわ。帰るからよろしく言っといて!」 カバンを片付け、慌てて飛び出して行く。 「拓?おーい、幸子ちゃんどうすんだー。あと『中庸』じゃなくて『急用』な」  いつもの突っ込みを入れる高を華麗に無視し、拓人は階段を駆け降りる。 「30秒で集合とか、まじねぇから!」  『神様委員会員呼び出し告知』と書かれた携帯を握りしめ、拓人は非日常へと急ぎ行く。 ――第2話・END
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