39人が本棚に入れています
本棚に追加
「えー……えぇー??」
実行委員会員?
つまり…大会には出ないってことか…
つまり、脇役?
所詮、引き立たせ役??
普通、こういうのって、主人公が大会を勝ち進んでいくモンなのに。
…どうやら自分は主人公の器じゃなかったようだ。
まてよ。もしかして、俺を実行委員にする為にわざわざ殺した訳じゃないよな?
「あのさ…マリアさん。もしかして、俺を殺したのって、マリアさん?」
マリアはきょとんとした。
「いえ?違いますけど」
「じゃあ、その『神様』とやら?」
拓人の言葉を聞き、マリアは少し困った顔をした。
「おしい!でも厳密に言うと違います。」
少し難しい話しになります、と、拓人に人差し指を向けてくる。
「貴方が今日、ここで死んだのは、ぶっちゃけ現神様の不注意なんです。
……『唯一神』…と、言う言葉をご存知ですか?」
拓人はコクりと頷く。
唯一神とは、全知全能、この世を一人で動かしている存在…と、信じている国も多い、神様の代表的な象徴だ。キリスト教などがそうである。
因みに日本は多神教だ。自然のもの全てに精霊、神が宿っているという考え方である。
マリアは話を続ける。
「実際、この世を動かしているのは、たったお一人の神様です。神様は世界中の全てのことをお決めになります――それこそ、人の生き死にまで」
「なるほど。つまり神様は今回間違って俺を死なせちゃったんだな」
「そうではありません」
マリアは慌てて否定した。
最初のコメントを投稿しよう!