神様委員会=脇役

5/10
前へ
/37ページ
次へ
「えー……えぇー??」 実行委員会員? つまり…大会には出ないってことか… つまり、脇役? 所詮、引き立たせ役?? 普通、こういうのって、主人公が大会を勝ち進んでいくモンなのに。 …どうやら自分は主人公の器じゃなかったようだ。 まてよ。もしかして、俺を実行委員にする為にわざわざ殺した訳じゃないよな? 「あのさ…マリアさん。もしかして、俺を殺したのって、マリアさん?」 マリアはきょとんとした。 「いえ?違いますけど」 「じゃあ、その『神様』とやら?」 拓人の言葉を聞き、マリアは少し困った顔をした。 「おしい!でも厳密に言うと違います。」  少し難しい話しになります、と、拓人に人差し指を向けてくる。 「貴方が今日、ここで死んだのは、ぶっちゃけ現神様の不注意なんです。 ……『唯一神』…と、言う言葉をご存知ですか?」 拓人はコクりと頷く。  唯一神とは、全知全能、この世を一人で動かしている存在…と、信じている国も多い、神様の代表的な象徴だ。キリスト教などがそうである。  因みに日本は多神教だ。自然のもの全てに精霊、神が宿っているという考え方である。  マリアは話を続ける。 「実際、この世を動かしているのは、たったお一人の神様です。神様は世界中の全てのことをお決めになります――それこそ、人の生き死にまで」 「なるほど。つまり神様は今回間違って俺を死なせちゃったんだな」 「そうではありません」 マリアは慌てて否定した。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

39人が本棚に入れています
本棚に追加