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二人の間に、微妙に重い空気が流れる。
しかしその空気を壊したのは、マリアの明るい声だった。
「そこで、『神様委員会』と言うわけです!」
両手をパン!!と打ち鳴らす。
その変わりように、拓人は少し面食らった。
「そこで、って…話が見えないんだけど…」
「つまりですね。神様は私たちに対してものすごーく負い目を感じてみえるんです。
私たちをどうにかして中間の曖昧さから救えないか…と考えて、作ったのがこの『神様委員会』。
世界の為に働くことで、世界に私たちの存在を認めさせるんですよ」
「は…はあ…」
いきなり世界ときたか。
話が大きくなりすぎたところで簡単に整理。
・自分たちは存在していないから、天国にも地獄にもいけない。
・神様はひどく責任を感じて、『神様委員会』を作った。
・そこで働けばきちんと成仏でき、また再び転生できる。
(なるほど…神様も優しいな…)
「…なんて思うかぁぁぁあ!」
ちょっと待てちょっと待てちょっと待て待て待て待って!
なんだこれ?結局悪いの神様じゃん!
「神様のうっかりミス!!エへ☆」じゃ済まされねぇだろ!!
はじめから最後まで何から何まで神様のせいじゃん!
危うく雰囲気に呑まれるところでだったわ!!
「信じられん…どんな神様だ」
「こんな神様です」
売り言葉に買い言葉。
お決まりのネタである。
マリアは面白いことを思い出した、と言って、拓人の耳に手をあてる。
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