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「今年のチームは良いんだ。すごく。全国大会目指していけそうなんだ。」
いきいきとした叔父の声が耳を通過する。
「えっと‥」
「うん。」
「私‥OL、なんですよね。」
「うん。」
「‥‥」
「それは、それはよくわかってるよ。でも、智香ちゃんの会社じゃ先はそう無いだろ?転職を考えてないかなと思ってさ。」
母からの情報だろうか。
なんて勝手な。
先は無い‥?
あっさりとひどい叔父の言い方に驚きを隠せない。
「ひ、久しぶりの電話で姪っ子の会社批判ですか?」
「い‥いや、まぁ‥。1ヵ月くらいでいいんだ。合宿の間とか、予選大会が始まったら色々と忙しくなるから‥」
「ちょ、ちょっと‥待ってくださいよ。1ヵ月って、確かにうちの会社グダグダですけど、いくらなんでも1ヵ月は休めないです。ていうかまだ行くなんて‥」
一体いきなり何を‥
あまりの急な誘いにかなり戸惑っていた。
はぁっと、一回落ち着こうと息を吐いた。
でも‥
叔父らしいと言えばらしいかもしれない。
昔から、こういう強引な所はあった。
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