コール音の

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懐かしいのに妙にリアルで、つい笑ってしまった。 そんな叔父ももう40代だ。 きっと老けただろうななんて想像しながら、口では言っていることとは全く逆の想像をしていた。 「行けませんから。」 「来るようだったら連絡してくれ。」 ちぐはぐな会話で挨拶をし、電話を切った。 それからしばらくぼーっと電話を見つめていた。 マネージャーなんて、‥意味わかんない。 普通マネージャーって、同じ学校の女子生徒がやるものよね? ふっと一瞬の笑みが漏れた。 考える必要もない。 現実離れしすぎている。 無理なものは無理。 もう忘れようと携帯を鞄に投げ込んで、いつも通りの休日を過ごした。 叔父と電話で話した以外はいつもと変わらないのに、なんだかそわそわと落ち着かなかった。 意味無く携帯電話を気にしながら、さっきの叔父との会話を思い出しては、ふるふると頭を振っていた。 .
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