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翌朝、10時頃までグダグダとベットの上で過ごしていた。
休みはグダグダ、というのがここのところの私のパターンだった。
彼氏がいる頃は出かける用事ばかりだった。
別に後悔もしてない。
こうして1人で過ごす休日に、ちょっと満足感すらあるのだ。
結婚は、やはり私には少しプレッシャーだったのかもしれない。
彼の浮気を知ったとき、怒りは無かった。
少しだけほっとした部分もあったのだ。
そんなことはいちいち人には言えなくて、傷ついた女の子としてしばらくは扱ってもらえてラッキーだった。
日差しがカーテンから漏れて眩しい。
そろそろ起きなくちゃ。
お腹も空いている。
ベットからもそもそと起き上がると同時に、携帯電話が鳴った。
誰だろう?
ディスプレイに表示された相手に、面倒くさいとため息が漏れた。
電話なんて珍しい‥
なんて、いつ掛かってきてもそんな風に思っていた。
「はい。」
だるそうな、寝起きの声で電話に出る。
「チカ?今起きたの?」
「そうだけど、なに?」
なんとも言えない、シャープな声。
寝起きには耳障りな実家の母からだ。
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