1人が本棚に入れています
本棚に追加
「神崎にち(カンザキ ニチ)君へ、父親より…か。」
両親のいない僕へ、父親から宅配便が届いた。
その中には、日本行きの飛行機のチケットと地図が入っていた。
僕はその地図を頼りにアメリカから日本へきた。
僕は自分の戸籍とは違う土地で発見され、そのまま施設で育った。
10歳の僕でもすぐわかった。
「捨てられたんだ」
ずっとそう思っていた。
英語なんて喋れない。今や、人類は自分が生きるので精一杯。他人とは会話せず、個人行動。だから英語なんてほとんど聞かなかったし、僕はただ食事と日本語の教科書だけ渡され、個人で勉強していた。
「にち君だね」
後ろから声がかかった。僕は、自分の名前を7年ぶりに聞いた。
「あんたが僕の親??若いんだね、何歳で生んだの??」
そこにいたのは二十歳前半の男性。隣には警戒した目で僕を見つめる同い年ぐらいの髪の長い女の子。
「これから君は俺の息子だ。俺は佐竹夏彦(サタケ ナツヒコ)この子は睦月有奈(ムツキ アリナ)」
意味のわからない説明をしながら、彼は刀を持ち出した。
「なに、それ。危ないですよ、それを持って世界の敵と戦えとでも??」
「そう、当たり」
最初のコメントを投稿しよう!