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夏海は、食べ終わっても1人説教をし続ける。俺が楽しそうに見ているとユウスケが「いい加減にしろよ」と俺の方にやってくる。
そして、俺のとなりの椅子に座る。
俺は無視して机の上に乗っている新聞を取り読み開く。だがユウスケは新聞を取り上げ俺に話を聞かせようとしてくる。
「人の話を聞けよ!じゃないと、おにょでら家秘伝、笑いのツボやるぞ」
「”おにょでら?”何だそれ…説教するならちゃんとしろよ」
俺は隙を見つけユウスケから新聞を取り返すとその新聞を手に持ち部屋の入り口へと向かった。
「…待てよ。」
聞こえてきたのは低音の声。
俺は振り返った。
その瞬間、何かで後頭部を殴られた。
その後の記憶はない…
気がついたら目の前に夏海がいて…
「やはり夢だったのか…」
「夢?いったいどんな夢を見ていたんですか?」
夏海が心配そうな顔をして俺を見つめてくる。
俺は「何でもない」と夏海を払い写真館の入り口から外へ出た。
お前が今何処で何をしているかわからない。
それどころかお前はお前のままでいるのだろうか。
夢の中で俺を殴ったのは恐らくユウスケ。
「やはりあいつはまだ…」
闇に囚われしクウガ_。
瞳の色が赤に戻る日はくるのだろうか。
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