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『明けまして、おめでとうございます!』
光写真館から聞こえてくる挨拶。
年のはじめの挨拶。
士の旅が始まり、ユウスケと知り合ってから初めてのお正月。
そして、新しい旅の始まり_。
「おめでと、士」
盛り上がっている中、何時もながら無関心な士の所へユウスケは足を運ぶ。
だが、士には軽く流される。
「なんだよ…相変わらずな奴だな。」
「年明けたところでなにも変わらない…」
確かに、年が明けたところで士のやるべき事は変わらない。
世界がディケイドを拒絶しなくなるわけがない。
それどころか、世界は破滅へと向かっている。
士はそれが自分のせいだと判っているのだ。
「変わるよ。年が変わるし、年齢も変わる…それから…」
士のことを察したのか、ユウスケは士を励まそうと笑いながら考えてみる。
だが、士には「わかったから」と頭をポンッと叩かれ子供扱いされる。
ユウスケは士にとって良きパートナーであり親友。そして、近所の子供だ。
でも…それ以上に_
「あっ…」
写真館の出入り口に向かおうとする士が足を止め振り向き
「ユウスケ、正月ならお年玉…」
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