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爆発音の後に聞こえてきたのは、
女性の悲鳴…。
まだビルの中に誰かいるのか…?
「海東、ユウスケ、先にでていろっ!絶対に来るな!」
そう言って、俺は再びビルの奥へ入っていった。
だが中には誰もいない…
気のせいだったのだろうか…
「士!何かあったのか?」
ビルの入り口の方から声が聞こえ、振り向くとユウスケが来ていた。
「ユウスケ…来るなと言っただろ…」
「あっ…ごめん…じゃなくて、良いだろ別に?心配してきてやったのに」
「まぁいい。」
俺は軽くスルーした。
別に誰かに心配してもらうほど無用心でもないからな。
「気のせいだったからな。」
「気のせい?何が気のせいだったんだよ。」
「お前に話す必要ないだろ。」
俺はビルの入り口へと歩き出した。
ユウスケもその後を追ってくる。
俺にしつこく質問しながら…。
「少しくらい良いだ…」
ユウスケはいきなり話を止め、その場に止まり、少し怖い表情をした。
俺は何かあるのだろうと察した。
ユウスケが怖い表情をすることは滅多にないからな。
「どうかしたのか…?」
「いやっ…何でもないよ…」
「その顔で何ともないわけないだろ…?」
「本当に何でもないって…」
俺は白状しないユウスケにからかうような感じで言った。
笑みを浮かべて。
「お前、普段そんな顔出来ないだろ?バカだからな。バカはバカなりの表情市か出来ないんだ」
「な…何だよそれッ!」
「まぁ、何もないならさっさと戻るぞ」
再びユウスケを無視し歩き出した。
だが、ユウスケはまた怖い表情をし、その場から動かない。
俺はてっきり着いてきているものだと思っていたが。
!?
俺は何か奇妙な気配を感じ取った。
その時だった。
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