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それから沈黙が続いた。
1時間、2時間、3時間………恵美が処置室に入ってからもう8時間あまり経っていたが手術中のランプは光っぱなしだ。
ウィーン
ランプが消え、処置室から一人の医師が出てきた。
それと同時に英司と恵美の両親が椅子から立ち上がり医師に駆け寄る。
恵美・母「恵美は…」
恵美の母親が枯れた声で医師に聞いた。あれから30分あまり泣き続け、化粧は涙で崩れ落ちていた。
医師「とりあえず手術は成功しました……」
英司「それじゃあ恵美は助かったんですね?」
英司は目を見開いて聞いた。
医師「…………」
恵美・父「どうしたんですか?」
黙っている医師に恵美の父親は不安げに聞いた。
医師「手術は成功しましたが……いまだ目を覚ましていません…」
英司「えっ…」
医師「頭を強く打ち脳が一部回復しておらず昏睡状態に陥ったままです」
英司「いつ目を覚ますんですか…」
医師「わかりません、まだこれから処置をする必要があります。目を覚ましたとしても脳には何らかの障害が残る可能性が非常に高いです。」
英司「そんな……」
医師「今言えることは娘さんは非常に危険な状態です。最悪目を覚まさないことも有り得ます。」
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