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救急車によって病院に運ばれた恵美はすぐに処置室に運び込まれた。
英司「恵美!」
処置室に入ろうとする英司を数名の医師達が押さえる。
医師「落ち着いてください。今あなたが中に入っても邪魔になるだけです。」
そんな医師達の言葉など英司の耳に届くはずがない。
英司「恵美――!」
医師「あなたが今入ったら彼女は助からないかもしれないんですよ!」
医師のその一言は英司の耳に入った。それと同時に処置室に向かっていた力が医師の方へと向けられ医師の両肩をわしづかみにした。
英司「恵美は助かるのか?」
英司の声は震えていた。
医師「今処置をしています。あなたが中に入ると処置の邪魔になり、助かる確率が下がります。お願いですから落ち着いて……待っていてください。」
英司「わかった、ここで待っていれば恵美は助かるんだな。わかった、待ってるよ」
英司はようやく体の力を抜き、処置室の脇にある椅子に腰掛けた。
それを見計らって数名の医師達はその場を後にした。
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