触れてはならないもの

12/18
前へ
/333ページ
次へ
放送を聞いた瞬間、私は腰を抜かした。そして笑った。 目の焦点が合わない。空いた口が塞がらない。 「……金沢伸明は存在してる。王様ゲームは現実に起こってる」 「ちょい葉月、急にどうしたの?」 「有り得ないことが……じゃ次はここで悲劇が繰り返えされるの?」 「ねぇ説明してよ」 私の体は震えだした。嬉しいから?驚きから?怖いから?よく分からないけど震えた。 「麻美、信じられないものがこの学校で繰り広げられるよ。どんなホラー映画、心霊スポットよりも恐怖を味わえる」 「意味が分からないんだけど」 「お願い、あの男の子捕まえてきて……私、動けないの。腰が抜けちゃったみたい」 「あの男の子なら帰っていったよ」 「そ、そんな!追いかけて」 「もう、無理だよ」
/333ページ

最初のコメントを投稿しよう!

259945人が本棚に入れています
本棚に追加