36/72
259926人が本棚に入れています
本棚に追加
/333ページ
健太朗の後ろの席の剛志が大声を張り上げたのだ。 剛志の声で他のみんなは健太朗から目をそらし外を見た。私はその瞬間を見逃さなかった。 剛志は倒れるふりをして、健太朗の頭に牛乳をかけたのだ。 「ごめん、手が滑った!」と有り得ないことを言う剛志。 何処からどう見ても故意であり、悪意があった。手が滑る、どうやったら頭から牛乳をかける行為に繋がるのか。 健太朗は怒ると思った。けど、健太朗は、怒るどころか剛志の安否を気遣った。 「大丈夫か?!」 私は苛々した。怒りなさいよ、文句の一つでも言いなさいよ!故意だって分かるでしょ! 「お前はバカ?気付けよ!」と剛志は健太朗を睨み据えた。 「俺がバカ?」
/333ページ

最初のコメントを投稿しよう!