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健太朗の後ろの席の剛志が大声を張り上げたのだ。
剛志の声で他のみんなは健太朗から目をそらし外を見た。私はその瞬間を見逃さなかった。
剛志は倒れるふりをして、健太朗の頭に牛乳をかけたのだ。
「ごめん、手が滑った!」と有り得ないことを言う剛志。
何処からどう見ても故意であり、悪意があった。手が滑る、どうやったら頭から牛乳をかける行為に繋がるのか。
健太朗は怒ると思った。けど、健太朗は、怒るどころか剛志の安否を気遣った。
「大丈夫か?!」
私は苛々した。怒りなさいよ、文句の一つでも言いなさいよ!故意だって分かるでしょ!
「お前はバカ?気付けよ!」と剛志は健太朗を睨み据えた。
「俺がバカ?」
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