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「お待たせ、健太朗。おっ、奈津子も一緒か。約束通り武器とかの類いは持ってこなかったぞ。話し合いに来た」 剛志が毅然たる態度で姿を現した。確かに手には何も持っていない。 けど隠し持ってる可能性がある。私は健太朗の袖口をぐっと引っ張った。 「ねぇ!」 健太朗は私の懸念など、お構い無しに一歩前に出た。 「剛志にはもう一つ頼み事をしてたよな。彼女も一緒に連れてこいって約束しただろ。彼女の杏は?」 「俺らの問題だろ。健太朗に兎や角(とやかく)言われる筋合いはない」 「心配じゃないのか?」 「お前は俺達の何なんだよ!牛乳の後、俺達の仲を取り持ってくれただけだろ。あの後、付き合えたのはお前のお陰だ。感謝はしてる。けどなぁ俺に魅力があったから杏は俺と付き合ったんだ。お前はキッカケを作った程度なんだよ」
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